78番福生寺について
佐布里五ケ寺からは約3㎞弱の場所にある福生寺。
イトーヨーカドーなど、大型店舗が建ち並ぶ知多市の街中の一角に、福生寺は静かに佇んでいます。
では、知多四国78番福生寺について、具体的な情報を見ていきましょう。
知多四国七十八番宝泉山福生寺真言宗豊山派の基本情報
本尊 | 不動明王(ふどうみょうおう) |
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開山 | 精真(せいしん)法印 |
開基 | 不詳 |
御本尊真言 | のうまく さまんだ ばざらだん せんだ まかろしゃだ そわたや うん たらた かんまん |
御詠歌 | 幸よきを 祈り甲斐ある 福生寺 不動の心 夢な忘れじ |
住所 | 〒478-0065 愛知県知多市新知東町1丁目8-3 |
電話番号 | 0562-55-3699 |
ホームページ | |
公共交通機関 | 名鉄古見駅から約1.3㎞ 知多バス「坊ノ下」から約0.2㎞ |
札所までのアクセス | 76番如意寺から約2.8㎞/79番妙楽寺まで約1.4㎞ |
地図 |
福生寺のミニ由来
- 永禄3年(1560年)精真法印により開創された。
- 弘化4年(1847年)3月18日、知多四国霊場開創の亮山阿闍梨が、この寺で入寂(※)した。
- 大正2年大火災に遭い、木像の大黒天象以外全てを焼き尽くしてしまった。
- 堂裏の宝泉池に大黒天を安置すると大雨が突如降り出し猛火が鎮まった。
- 以来、防火、防除、厄除、開運の守護神「やけん大黒天」として篤い信仰を集めている。
※入寂(にゅうじゃく)とは、僧侶が亡くなることをいいます。
別の角度から由来を深掘りしてみた
福生寺が開創された永禄3年(1560年)は、桶狭間の戦いで織田信長が今川義元を破った年です。
ところで、戦国時代どのように兵が集められたかご存知ですか?
通常、家臣は農村で暮らしていたわけですが、いざというときは次の手順で城に集合するよう義務付けられていたようです。
- 城中で、ほら貝、太鼓、鐘が一斉に鳴ったときは、どこで何をしていてもすぐさま帰宅する。
- 次に鐘が鳴ったら食事を摂る。
- 太鼓が鳴ったら鎧を身に付ける。
- ほら貝が鳴ったら城に駆け付ける。
令和の時代に生きる私たちがどれほど恵まれた幸せな環境にいるかがよく分かりますよね。
それでは、実際に福生寺を参拝させていただいたときの様子を、写真を交えながらご紹介させていただきましょう。
写真で見る福生寺
広い駐車場がありますので大型車であっても大丈夫です。
降車後、こちらの階段を上って境内へと進みます。
大型店舗など多くの店が立ち並ぶ地域の中、福生寺の境内は緑で溢れ、まるで別空間のようです。
そんな境内には、信者から寄進された、コンクリート製の「やけん大黒天」が祀られています。
御本尊不動明王が祀られている本堂。
本堂の向かって一番左で祀られている弘法大師。
焼け跡から無事運び出された大黒天。
大火の中、無事な姿で運び出された大黒天は、弘法大師の向かって右側に安置されています。
福生寺では火災の跡から大黒天が発見されましたが、南知多町にある29番正法寺でも、火災の焼け跡から黒焦げの大師像だけが発見されるということがありました。平成9年の出来事です。
平成9年の年の暮れのこと。深夜の不審火により、鉄筋の本堂だけを残して全焼という災難に、正法寺は見舞われてしまいました。翌朝、焼け落ちた御堂の中から木像の弘法さまだけが見つかり、今は平成13年に再建された弘法堂で静かにお遍路さんを見守っています。
納経所で御朱印をいただいた後、ご住職から妻の分も合わせ4枚もお菓子を頂きました。美味しかったです^^
次は、79番札所、開山所妙楽寺へと向かいます。
亮山阿闍梨は、晩年をここ福生寺で過ごし入寂しましたが、69歳まで知多市にある妙楽寺の住職を務めたことから、妙楽寺の境内には亮山阿闍梨坐像が安置され、また本堂裏には墓もあります。
昔も今も多くのお遍路さんを惹き付けて止まない知多四国霊場。79番札所妙楽寺の境内には、知多四国霊場を開創した亮山阿闍梨を祀る開山堂があります。開山所妙楽寺の本尊は大日如来。また境内には、阿闍梨像と修行大師像が安置されています。
78番福生寺から79番妙楽寺へのルート
福生寺から妙楽寺までは、およそ1.5㎞。車一台分しか通れないような、狭い箇所も特にありませんし、比較的分かりやすいルートかと思います。
新知台2丁目西の交差点を左折です。
竹内クリニックを左折します。
新知小学校南西の交差点を右折です。
「浜脇」の交差点を左折します。
右側に駐車場があります。
近くにある飲食店
【滋味活彩 花ひで】
愛知県知多市新知東町1丁目1-15
0562-54-3570
【くにみつ】
愛知県知多市新知台2丁目4-29
0562-56-5789
【四季】
愛知県知多市新知台2丁目4-37
0562-55-1607
知多四国のおすすめ本
このブログを作りにあたって、たくさんの知多四国に関する本を参考にさせていただきました。その中でも特におすすめの書籍等を厳選し、ご紹介させていただきます。
→知多四国のおすすめ本
最後に・・・
大火の中、木像の大黒天だけが無事な姿で運び出されるという、常識の範疇ではにわかに信じ難い奇跡。やけん大黒天からのご利益を授けられるよう、お参りさせていただきました。
以上【知多四国78番福生寺の由来・見どころ・回り方(やけん大黒天など)】でした。