52番密蔵院について
千石船の時代から、船乗りたちの信仰を集めてきたかじとり観音。
観音様のご加護によるいくつもの奇跡が伝えられています。
では、知多四国52番密蔵院について、具体的な情報を見ていきましょう。
知多四国五十二番鶴林山(かくりんざん)密蔵院(みつぞういん)真言宗豊山派の基本情報
本尊 | 不動明王(ふどうみょうおう) |
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開山 | 星善(せいぜん)法印 |
開基 | 白河天皇(しらかわてんのう) |
御本尊真言 | のうまく さまんだ ばざらだん せんだ まかろしゃだ そわたや うん たらた かんまん |
御詠歌 | 法界を 平等に見る 御仏は 密蔵院に 輝きてます |
住所 | 〒470-3235 愛知県知多郡美浜町野間松下105 |
電話番号 | 0569-87-0308 |
ホームページ | |
公共交通機関 | 名鉄野間駅から約1㎞ |
札所までのアクセス | 53番安養院から約0.3㎞/56番瑞境寺まで約0.4㎞ |
地図 |
密蔵院のミニ由来
- 承暦年間(1077年~81年)白河天皇勅願の大御堂寺十四坊中の一院「宝乗坊」として創建された。
- 宝暦年間(1751年頃)密蔵院と改称した。
- 境内の別堂には、野間の船乗りや村人の信仰を集めてきた如意輪観音、別名「かじとり観音」が祀られている。
- 第二次世界大戦の末期、小笠原近海で米軍の爆撃を受け沈没した貨物船「第十雲海丸」吉田船長以下7人の乗組員は、一週間分の食料と水を用意して『救命艇』で脱出。
- 日本の南方1000㎞の洋上から「南無観世音菩薩」と唱え、観音様のご加護により、日本近海を北上している強い黒潮の流れを突破して狭い伊勢湾の入口に見事に入ったとされる。
- 平成10年本堂と弘法堂を再建。
- 平成20年境内に六尺の修行大師像と水子地蔵尊が建立された。
由来を深掘りしてみた
密蔵院と改称した宝暦年間は、八代将軍徳川吉宗が産業発展のため、実用に役立つ蘭学を推奨し、蘭書の輸入を奨励した時代でした。
そのため、蘭書をきっかけにヨーロッパの文化や学術の研究が盛んに行われ、更に医学や絵画などにも功績が顕著に表れるようになりました。
杉田玄白や平賀源内など、歴史の教科書にも登場した研究者らは、まさにこの時代を代表する人たちです。
それでは、実際に密蔵院を参拝させていただいたときの様子を、写真を交えながらご紹介させていただきましょう。
写真で見る密蔵院
青空と深い緑によく映える赤い門をくぐり境内へと進みます。ちなみにこちらの赤門は、かじとり観音に参拝する信者さんのために閉じられたことがなかったそうです。
一際目を惹く密蔵院の赤門。知多四国霊場では、南知多町にある36番遍照寺も真っ赤な赤門です。どうぞご覧になってみてください。
36番遍照寺は、本尊に弁財天を祀る知多四国霊場で唯一の寺です。別堂には、お遍路さんの道中の安全を願うお手引大師も祀られています。
境内には、大黒天や
平成20年に建立された修行大師像
水子地蔵像尊が祀られています。
平成10年に再建された本堂。御本尊は鎌倉時代に建立された不動明王で、盗難除けにご利益があると伝えられています。
本堂と同じく平成10年に再建された弘法堂。
弘法大師と
閻魔大王が祀られています。
階段を上がったところには別堂があり、
「かじとり大師」が厨子の中に安置され、御前立として如意輪観音が祀られています。そしてすぐ脇には
吉田船長以下7人が脱出の際使用した救命艇が展示されていました。ただし、
と、東海テレビ「スイッチ! はじめまして 知多半島を歩く」の中でご住職が、高井アナウンサーに説明されていました。
救命艇が模造品でオールだけが本物ということは、関係者の方たち以外は、ほとんどの人が知らないのではないでしょうか。もちろん私も「スイッチ!」を見て初めて知りましたが、必見の価値ありです!
密蔵院では、吉田船長以下7人の船員が無事脱出することに成功しましたが、同じ美浜町内にある48番良参寺は、日本に戻ることのできなかった三吉にまつわるお寺です。どうぞご覧ください。
千石船で栄えた、小野浦の地にお堂を構える48番札所良参寺。本堂には、聖観世音菩薩が祀られています。そして御助大師(おたすけ)と呼ばれる弘法さん。昭和から平成にかけて参拝した女性の眼が見えるようになるなど、多くのご利益が伝えられています。
納経所で御朱印をいただきましたので、次は56番札所瑞境寺へと進みます。
周辺の地図です。
52番密蔵院から56番瑞境寺へのルート
密蔵院を出て左に進むと間もなく瑞境寺です。車は裏に回らないと行けませんが、標識通り進めば駐車場に到着できます。
近くにある飲食店
【岬鮨】
愛知県知多郡美浜町野間本郷78
0569-87-0405
【納屋 Cucina creativa】
愛知県知多郡美浜町野間本郷55
0569-87-3778
知多四国のおすすめ本
このブログを作りにあたって、たくさんの知多四国に関する本を参考にさせていただきました。その中でも特におすすめの書籍等を厳選し、ご紹介させていただきます。
→知多四国のおすすめ本
最後に・・・
密蔵院は、赤門を境内を少し歩けば、隅々にまで整備された美しい境内に気付きます。次の札所までの行き方を訪ねたら、懇切丁寧に教えていただきました。ハード面でもソフト面においても、おもてなしの心が行き届いているお寺であることを強く実感しました。
以上【知多四国52番密蔵院の由来・見どころ・回り方(おもてなしの心など)】でした。