48番良参寺について

良参寺 本堂

天保3年、遠州灘で消息を絶った宝順丸は、乗組員の内3人の若者だけが14カ月後にアメリカに漂着。
その後ドイツ人の宣教師に協力して聖書の日本語訳を完成させました。
その後、故郷の日本に戻ることのできなかった三人の偉業を称え、記念碑が建てられています。
では、知多四国四十八番禅林山良参寺曹洞宗について、具体的な情報を見ていきましょう。

知多四国四十八番良参寺の基本情報

本尊 聖観世音菩薩(しょうかんぜおんぼさつ)
開山 天祖順応禅師
開基 融山祝公首座
御本尊真言 おん あろりきゃ そわか
御詠歌 はるばると 詣る禅林 良参寺 吹き来る風も 御仏の声
住所 〒470-3236 愛知県知多郡美浜町小野浦清水18
電話番号 0569-87-0275
ホームページ
公共交通機関 美浜町巡回ミニバス「食と健康の館」から約0.3㎞
札所までのアクセス 47番持宝院から約4㎞/49番吉祥寺まで約2.1㎞
地図

良参寺のミニ由来

  1. 天正13年(1585年)に開創された。
  2. 享保18年(1733年)に現在地に移転した。
  3. 文政元年(1818年)庫裡が再建された。
  4. 天保3年(1832年)大阪から江戸へ向かう途中遭難してアメリカに漂着した「定順丸」乗組員14名の墓碑が本堂裏にある。
  5. 14名の内、音吉、久吉、岩吉の3名、通称「三吉」は、初の和訳聖書の制作に協力したことで知られる。
  6. 弘化2年(1845年)本堂が再建された。
  7. 平成18年、マカオで生涯を終えた音吉の遺灰が、173年ぶりに日本に戻り良参寺に納められた。

由来を深掘りしてみた

「三吉」の内の一人、山本音吉は音吉は小野浦で生まれ育ち、14歳のとき「宝順丸」に乗ったそうです。
宝順丸は、江戸に向かったのですが、途中嵐に遭い1年2カ月もの間漂流した後、アメリカに漂着しました。
アメリカ上陸から5年後、モリソン号で音吉は日本に戻ったのですが、鎖国政策によって砲撃を受け上陸できず。。。
その後、イギリス海軍の通訳として日本に上陸し、日英和親条約締結に貢献しました。
シンガポールで会社を設立しイギリスに帰化。結局最後まで、故郷の地を踏むことなく生涯(1819年~1867年)を終えました。
そして2021年5月16日、美浜町小野浦に「廻船と音吉記念館」がオープンしました。
それでは、実際に良参寺を参拝させていただいたときの様子を、写真を交えながらご紹介させていただきましょう。

写真で見る良参寺

駐車場は2~3台が停められるほどのスペースです。
良参寺 駐車場

これから歴史の重みを感じる山門をくぐります。
良参寺 山門

すぐ右手に「宝珠正覚坊(おたからおかめさん)」の姿が
良参寺 宝珠正覚坊 

弘化2年(1845年)に再建された本堂。
良参寺 本堂

良参寺の弘法堂に祀られているのはは「御助大師(おたすけだいし)」。
良参寺 御助大師

昭和から平成にかけて参拝した女性の眼が見えるようになるなど多くのご利益が伝えられています。
良参寺 利益

常滑市にある番外曹源寺では、歩けなかった人が歩けるようになった御礼にと奉納した、木製の手押し車が今も残されていますよ。

金毘羅大権現
良参寺 金毘羅大権現

右側に薬師如来、左側には不動明王が祀られています。
良参寺 薬師如来 不動明王

推定樹齢400有余年といわれているイブキ
良参寺 イブキ

その根本に現れた子抱観音。子宝、安産、子どものゆるやかな成長を願う人に、観音様の恵みが授かるよう御札が用意されています。
良参寺 子抱観音

良参寺の見どころ(子抱観音 )

境内の樹齢400年といわれるイブキの根元に、観音様のような形が現れたのは昭和58年のこと。
まるで赤子を抱いているように見えるため、子抱観音として、子宝に恵まれた人などから篤い信仰を受けています。

知多四国霊場には、子宝や安産等にご利益をいただける寺院が数多くあります。美浜町内にある番外時志観音も、安産祈願、虫封じとして有名です。そのため、安産祈願や、お礼参り、お宮参りの参拝客が後を絶ちません。

良参寺は日本で最初に聖書を和訳したことで知られる、宝順丸乗組員のお墓があります。帰国を試みるも果たせなかった、彼らの偉業を称え記念碑が建てられています。
良参寺 宝順丸乗組員

48番良参寺から49番吉祥寺へのルート

R247を名古屋方面へ進むと右手に看板が見えてきますので右斜めに進みます。
吉祥寺へのルート

しばらく進むと左側に吉祥寺が見えてきます、
吉祥寺へのルート

近くにある飲食店

【ノアノア】
愛知県知多郡美浜町小野浦岩成24
0569-87-1704
【地魚料理 翁】
愛知県知多郡美浜町小野浦岩成31
0569-87-5545

知多四国のおすすめ本

このブログを作りにあたって、たくさんの知多四国に関する本を参考にさせていただきました。その中でも特におすすめの書籍等を厳選し、ご紹介させていただきます。
知多四国のおすすめ本

最後に・・・


良参寺 霊験あらたか 御助大師 身近に感じる 平成のこと

各お寺を巡礼していると、不思議なお話が伝わってきますが、そのほとんどが百年以上前のこと。どこか夢物語のようなイメージを持ってしまうのですが、平成に入ってからのこととなると一気に、身近に感じてしまいました。

以上【知多四国48番良参寺の由来・見どころ・回り方(子抱観音など)】でした。

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